土壌分析 土壌診断 石灰過剰
弊社では、土づくりから収獲までのサポートをさせていただいております。(^-^)/
実際に農地の土を採取し、詳細を分析機関に送り、その分析結果から土づくりや肥料設計を行っています。
先日、非常にアルカリへ傾いている土壌の分析結果が届きました。作物の種類にもよりますが、たいていPhが6.5あたりの弱酸性の土壌だと作物がよく育ちます。
ほうれん草やネギは、比較的アルカリの土壌を好み、ブルーベリーは酸性の土壌を好みます。
今回の土壌分析では、やけに石灰過剰、アルカリ土質の結果なので、疑問に思いました。こんな土壌じゃなかったはず・・・。
農家の方に、よくよく聞いてみると、カキの貝殻の粉末を多量に施用したのだとか・・・。海のミルクと言われる、あの牡蠣です。殻は、不要なもの、産業廃棄物ですから、リサイクルの意味もあって、肥料として売られています。
なぜ、そんなに?・・・・。(?-?)
有機石灰だから良いのだと思ったのでしょうか?
人間が偏った食事で体を壊すように、植物にも養分のバランスが大事です。有機だから、作物に良い方向に働くとは限りません。
逆に化学合成したものだから作物や環境に悪いというものでもありません。化学合成した肥料でも、土着の微生物によってしっかり分解され無機化され、植物に吸収されます。(詳しくは、またの機会に・・・)
特に、石灰、苦土(マグネシウム)、加里(カリウム)の3つの要素は大事で、このバランスが崩れると養分があっても植物が吸収できなる現象が起きます。拮抗作用といいます。
今回の場合、石灰が多過ぎますので、苦土や加里が吸収できないようになると思われました。
また、アルカリ傾向だと、微量要素(銅や亜鉛、鉄などのミネラル)が土壌に溶け出しにくくなります。
一般に、窒素、燐酸、加里の3要素で植物が育つように思われますが、植物だってその他の要素を吸収しないと健全に生育できません。
エーザイ生科研の中嶋農法では、このミネラルのバランスに着目して研究しています。